談話/診療所再診料及び外来管理加算は技術の評価そのもの 削減や廃止の検討は許せない

談話/診療所再診料及び外来管理加算は技術の評価そのもの
削減や廃止の検討は許せない

2010年1月8日
京都府保険医協会 理事長 関 浩

 厚生労働省・足立政務官は2010年1月4日、『MEDIFAX』紙のインタビューに答え、外来管理加算について「時間要件をなくして、全部に加算を付けるのはおかしな話だ。考え直さないといけない。選択肢の1つは『要らない』ということ。あるいは削減すること」と語り、廃止や引き下げの検討が必要とした。また、再診料についても「病院の点数を診療所に合わせる判断を中医協がすることはあり得ない」と述べ、診療所の再診料を引き下げて病院と統一するとの見通しを示した。

 そして、この引き下げ等を財源に、個別の技術料の評価を重視して、「不採算の診療科に充てる『配分の見直し』を進める必要がある」とした、と報じられている。

 この報道が足立政務官の真意を正確に伝えているならば、我々は納得できない。民主党の選挙公約である「政策集INDEX2009」に掲げられた「外来管理加算の5分要件の撤廃」は、無条件に実施すべきである。また、再診料を統一するならば、病院の再診料を引き上げて統一すべきである。

 診療所の再診料や外来管理加算の引き下げ等は、診療所から病院への財源移転の一環として検討されているが、2008年度改定時の外来管理加算の時間要件(5分ルール)導入の影響は年間で約800億円に上り(日本医師会試算)、当初の厚生労働省の試算200億円をはるかに上回っている。この差額から過去2年間で得られた約1200億円の費用対効果を検証することなく、再び診療所に負担が転嫁されることは、容認し難い。

 再診料の歴史を紐解けば、1943(昭和18)年の診療報酬点数表告示から1967(昭和42)年の改定まで、再診料とは(乙表において)「注1

 第2診以後において、診察若しくは検査を行ったのみで、投薬、注射、処置等の治療を必要としなかった場合、又は診察若しくは検査を行った結果、治癒と判定して、投薬、注射、処置等を行わなかった場合に限って算定できる」点数であった。これに対して、日本医師会は1963(昭和38)年、右記「注1」のような制限を受けない、再診という医師の診断技術自体を評価せよと厚生省に要求し、健保法改悪に対する保険医総辞退などを経て、1967(昭和42)年の改定で「注1」は廃止された。一方、「注1」の制限は、新設された再診料の内科加算(後に内科再診料)の「ただし、処置(一般処置を除く)、理学療法、精神科特殊療法及び手術を行った場合は算定できない」の取扱いに引き継がれ、1992(平成4)年に現在の外来管理加算になった。

 以上の経緯から、外来管理加算は戦後一貫して、内科系の保険医の再診時の療養管理を技術的に評価してきた点数であり、全科共通の再診料は、再診という医師の診断技術自体を評価した点数であることは明らかだ。これらの技術を軽視することは許されない。

 また、足立政務官は「外来通院で何をやっているかの評価を高めれば、外来管理加算の比重は小さくなる」と述べたと報じられているが、保険医療養担当規則には、「各種の検査、手術、リハビリは必要があると認められる場合に行う」、「処置は必要の程度において行う」と規定されており、「行わなくてもよい」と診断することも、行った治療と同等に評価されるべきである。

 我々は改めて内閣及び厚生労働大臣はじめ政務三役に対して、外来管理加算の時間要件を完全に撤廃するとともに、診療所の再診料は現行堅持を要請する。

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