調査委による通知を起訴要件に/死因究明で全国医師連盟が独自試案

調査委による通知を起訴要件に/死因究明で全国医師連盟が独自試案

 全国医師連盟は9月18日、診療関連死の原因究明制度の独自試案を公表した。医療行為に関する業務上過失致死傷罪を特別法で「親告罪」に規定し、医療安全調査委員会からの通知と遺族らによる告訴の両者を起訴要件とするなど、調査委による調査を警察などによる捜査より「前置」することなどが柱となっている。

 同連盟の試案では、医師法21条を改正して同法に基づく診療関連死の警察への届け出範囲を「過失犯を除く刑法犯にかかわる異状」に限定。医療過誤による死亡が否定できない事例の調査委への届け出を義務付けるほか、そのほかの医療関連死や健康被害についての届け出も調査委で受け付ける。調査の結果、「医学的に大変不適切で、刑事手続きに乗せることが相当」と判断した場合は捜査機関に通知する。その際には、捜査機関側の求めに応じて根拠となる客観的資料を交付する。

 特別法では診療関連死について遺族からの告訴があった場合なども、捜査機関側から調査委に調査を依頼し、調査委から通知があるまで捜査機関は捜査に着手しないことを盛り込む。

 調査委は内閣府の外局として設置し、高等裁判所の所在地と人口100万人以上の政令指定都市に地方委員会を設置する。医療死亡事故などの補償を目的とする「医療事故補償基金」を厚生労働省内に設置し、調査委が医療側の過失を認めた場合には患者側は医療機関に損害賠償を請求するか、基金からの補償を受けるかを選択できるようにする。(9/19MEDIFAXより)

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