読者のひっち俳句

読者のひっち俳句

隆英 選

入選

袖垣の関守石や寒の雨

絢子

佳作

夫の忌や白鳥四、五羽残りいて

絢子

岸を打つ波の調べや鴨日和

絢子

初天神やっと抜け出て帰路につく

珠子

伐採に巣を追われけり寒鴉

珠子

暖し母の納骨病癒ゆ

青磁

春泥を行きつ戻りつ車椅子

善郎

風花のいくつか肩に年賀人(びと)

善郎

少しづつ冬芽ふくらみ色それぞれ

廃校の校門に咲けり梅の花

(順不同、仮名づかい新旧自由)

短 評

 絢子さん、「関守石」は、飛石の岐路に蕨縄で十文字に結わえて据えた石で、それから先へ行くなという意とあります。私は棕櫚の縄とばかり思っていたのですが、蕨の根茎から澱粉をとった後の繊維を綯って作った縄で黒く水に強いとありおどろきました。

 珠子さん、初天神、初弘法は毎年大変混みます。でも混むから楽しいので、またなんとなく行ってみたくなります。

 青磁さん、お母さまの亡くなられた句を以前拝見したと思いますが、納骨されてほっとして作者の病が癒えたということでしょうか。どうぞご自愛を。

選者吟

右で噛み左で噛んで年の豆

隆英

◇ハガキに5句以内、未発表のもの。応募作品は返却致しません◇住所、氏名、電話番号明記。ただし作品はペンネームで結構です◇送り先:協会保険医新聞担当◇毎月15日締切。毎月第1週号に発表します◇入選者には記念品贈呈◇作品の発表にあたり選者が添削する場合があります。あらかじめご了承ください。

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