読者のひっち俳句 隆英 選
入選
秋桜地平線まで行けるかも
善郎
佳作
野の仏守りてかがやく曼珠沙華
善郎
疾風過ぐ花折峠の薄分け
善郎
東屋に憩ふ白露の風受けて
絢子
コスモスや舞うつくしき喜寿の友
絢子
名水を汲めば今しも萩の雨
絢子
なつかしき父の笑顔や秋の空
青磁
微睡(まどろ)めば母すぐそばに秋の風
青磁
目がねかけ蝶ネクタイの案山子かな
珠子
秋雨にたたずむ伊賀の陶狸
珠子
腰痛に猫と留守番月今宵
珠子
夜顔の咲きつつ空へ昇りけり
素
消防車真近にとまる秋の夜
素
(順不同、仮名づかい新旧自由)
短 評
善郎さん、この頃は休耕田にコスモスを植えて村起こしにもしているところが多いようです。私は先年霧島高原ではるかかなたまで続くコスモスを見ましたが、そういうところでコスモスの中を歩いていたら、作者のような気持ちになるかも分かりません。
絢子さん、名水は梨木神社でしょうか。萩の雨が美しい。
珠子さん、「秋雨に濡れ」となっていましたが、秋の雨とあれば「濡れ」はいりませんのでなおしました。
素さん、消防車のサイレンにびっくりされたことでしょう。
今回、「京の町抱く東山」という句がありましたが、東山、(北山)西山がないと「抱く」とは言えないと思います。
選者吟 紫香楽(しがらき)の宮の礎石に残る虫 隆英
<応募要領>◇ハガキに5句以内、未発表のもの。応募作品は返却致しません◇住所、氏名、電話番号明記。ただし作品はペンネームで結構です◇送り先:協会保険医新聞担当◇毎月15日締切。毎月第1週号に発表します◇入選者には記念品贈呈◇作品の発表にあたり選者が添削する場合があります。あらかじめご了承下さい。