認知症疾患医療センター、全国で11施設/
厚労省、自治体に設置呼びかけ
厚生労働省は10月7日、認知症・虐待防止対策主管課長会議を開き、認知症医療の中核施設として2008年度から全国150カ所に設置することになっている「認知症疾患医療センター」が9月24日現在で11施設にとどまり、旧制度の老人性認知症センターからの移行時期も111施設が未定としていることを報告した。厚労省社会・援護局は「認知症医療センターは認知症対策の底上げのために非常に重要。積極的に取り組んでもらいたい」とし、自治体に体制整備を呼びかけた。
認知症疾患医療センターは認知症疾患の鑑別診断や検査体制を有する施設で、専任の臨床心理技術者の配置など、従来の老人性認知症センターより施設要件を明確化した。老人性認知症センターは3年以内をめどに認知症医療センターへ移行することになっている。
厚労省が同日提示した「認知症疾患医療センターの整備に関する調査結果」によると、06年4月1日現在で指定されていた老人性認知症センター150カ所のうち、認知症医療センターに移行予定なのは08年度中が13施設(8.7%)、09年度中が10施設(6.7%)で、移行時期未定は111施設(74.0%) だった。認知症医療センターへの移行に当たっての課題については、28自治体が「予算措置が困難」と答えたほか、「専任の人員確保が困難」(13自治体)、「検査体制の確保が困難」(7自治体) など設置基準の確保が難しいとする自治体が多かった。(10/8MEDIFAXより)