認知症入院、2026年に9.2万人/厚労省推計、目標患者数も
厚生労働省は7月26日、「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」で、精神病床の認知症入院患者数が2026年には9万2000人に達するとの将来推計を出した。同年の入院患者数を8万7000人以下に抑える目標値も示し、検討チームは目標値設定に向けた具体的な議論を始めた。目標値は11年秋の取りまとめに盛り込みたい考え。
将来の入院患者数の目標値の設定は「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」が09年9月に示した報告書で、11年度までに具体化することを盛り込んでいた。これを受け厚労省は1996年から08年までの入院患者の増加率に合わせて認知症入院患者数を試算。14年は6.7万人、17年は7.4万人、20年は8.0万人、23年は8.6万人に増えていくと推計した。
さらに、厚労省は目標値の試算も実施。退院の可能性がない患者の割合が3割いるとし、現在は入院6カ月目で50%になる退院率が今後、退院支援などを通じて早まることを仮定した上で、1カ月後、2カ月後、3カ月後、4.5カ月後のそれぞれで退院率50%が実現した場合の目標値を算出。23年には5.0万−8.1万人、26年は5.4万−8.7万人の入院患者数に抑えるとの目標値を示した。
今後は、目標達成の時期や退院率50%の実現を1−4.5カ月のいずれに設定するのかなどで議論を進める。
議論では、入院患者の将来推計を裏付ける根拠について、さらなる分析を求める意見が出た。(7/27MEDIFAXより)