診療所医師が10万人突破/12年三師調査、全体医師数は30万人
厚生労働省は12月17日、2012年12月31日時点の届け出数を集計・分析した「医師・歯科医師・薬剤師調査」(三師調査)の結果を公表した。調査は2年ごとに実施。医師・歯科医師・薬剤師数は全て前回10年調査時よりも増加した。医師数は、前回比8219人増の30万3268人。性別構成は男性が80.3%、女性が19.7%。診療所の医師数が1079人増の10万544人(同33.2%)で、調査開始以来、初めて10万人を突破した。
医師のうち医療施設(病院と診療所)に従事するのは95.2%の28万8850人で、前回比8419人増。病院に従事する医師の全体数は前回比7340人増の18万8306人(構成割合62.1%)で、内訳は医学部付属病院などの医育機関付属病院を除いた病院が13万7902人、医育機関付属病院が5万404人だった。
都道府県別の対人口10万人医師数では、京都の296.7人が最も多く、徳島の296.3人、東京の295.7人などが続いた。最も少ないのは埼玉の148.2人で、茨城167.0人、千葉の172.7人などが続いている。
●医師不足診療科、微増傾向も都道府県別では格差
従事する主な診療科の構成割合は、内科が21.2%と最も高く、整形外科7.1%、小児科5.7%、外科5.6%、精神科5.1%などが高かった。臨床研修医は5.2%。
診療科別構成割合を男女別で見ると、男性は内科が22.3%、次いで整形外科8.4%、外科6.5%、消化器内科4.9%などが多かった。女性も内科が最多の16.5%で、小児科9.7%、眼科8.5%、皮膚科6.8%などが続いた。
広告可能な専門医資格の取得状況では、最も多いのが外科専門医6.9%で、消化器病専門医5.2%、整形外科専門医5.1%、総合内科専門医5.0%などが多かった。専門医資格取得なしは47.0%だった。
医師不足が指摘されている小児科、産婦人科・産科、外科について、医療施設に従事する医師数は微増傾向が続いている。小児科は470人増の1万6340人、産婦人科・産科は216人増の1万868人、外科は235人増の2万8055人だった。ただ、人口10万人対医師数でこれらの診療科をみると都道府県で格差がある。
●大震災後の福島、医師195人減
今回の調査結果を利用して、東日本大震災前後の岩手、宮城、福島の被災3県の2次医療圏別に、医師・歯科医師・薬剤師数の変化も分析した。医師数では、福島が前回調査比195人減、岩手が27人増、宮城が123人増だった。医師数が増加した2県でも2次医療圏によっては減少している。医師数が減少した福島では、全2次医療圏で医師が減少。減少数の最多は福島第1原発のある南相馬市を含む2次医療圏「相双」の92人減だった。(12/18MEDIFAXより)