診療所再診料や外来管理加算引下げの動き
理事長談話 技術評価の削減は許さない
10年度診療報酬改定に係る議論が進められているが、厚生労働省の関係者からは、診療所の再診料や外来管理加算を見直す(引き下げる)との発言もある(改定議論の詳細は09年12月28日発行『2010年度診療報酬改定関連情報』No.2を参照)。その状況を受けて、京都府保険医協会は1月8日、今次改定に際し「診療所再診料や外来管理加算は技術の評価そのもの、削減や廃止の検討は許せない」とする理事長談話を発表(全文は4面)。同談話は、鳩山首相、菅副首相、長妻厚生労働相はじめ厚生労働政務三役、民主党の小沢幹事長らに送付した。
低い改定率で再診料、外来管理加算見直しが俎上に
改定率は全体でプラス0・19%、本体でプラス1・55%と、10年ぶりの全体でのプラス改定が09年12月23日、長妻厚生労働相と藤井財務相の折衝で合意。
しかし、02年度以降の連続4回にわたる引き下げ累計7・73%には遠く及ばず、地域医療の立て直しには到底足らない。さらに、本体部分の内訳として医科はプラス1・74%、入院はプラス3・03%とされる一方、外来はプラス0・31%と微増に止まっている。
また、厚生労働相と財務相の合意文書には「再診料や診療科間の配分の見直しを含め、従来以上に大幅な配分の見直しを行う」との文言が盛り込まれていると報道。12月27日付『京都新聞』朝刊に「開業医再診料引き下げ 病院と一本化、650円に」との記事が掲載された。
さらに厚生労働省の足立政務官が、「診療所の再診料の引き下げと外来管理加算の廃止を検討」と発言(1月4日、医療専門紙のインタビュー)。発言の中で、再診料は12月の中医協で病院(60点)と診療所(71点)の統一で合意しており、「病院の点数を診療所に合わせる判断を中医協がすることはあり得ない」と述べ、現行の診療所の点数は引き下げるとの見通しを示した。また「患者を診察しただけでなく、そこで何を行ったかの評価を高くする方が正しいのではないか」と述べ、個別の技術料の評価を重視すべきと強調。加えて、外来管理加算の時間要件は、「時間要件をなくして全部に加算を付けるのはおかしな話」とした上で、点数の削減か廃止を含めた検討が必要。その分、個別の技術料の評価に重きを置くべきとしている。