診療所、小規模病院は苦戦/日医レセプト調査  PDF

診療所、小規模病院は苦戦/日医レセプト調査

 日本医師会は8月11日、4−6月分のレセプト調査の結果を発表した。診療所の外来の総点数は前年同期と比べて0.19%増となり、0.09%減だった速報(4、5月分)から微増に転じたが1日当たり点数は0.26%減とマイナス幅が広がった。病院は入院の総点数が前年同期に比べて5.14%増、外来も2.36%の増となった。高杉敬久常任理事は会見で「大規模急性期病院に資源が集中した一方、診療所や小規模病院は苦戦している」とし、「地域医療を支えるためには、すべての医療機関の底上げが必要」と訴えた。

 病院と診療所の入院、外来を合わせた総点数は2.64%増で、入院は5.15%増、外来は0.73%増でいずれも速報よりプラス幅が広がった。

 診療所は入院が5.25%増と大きく増加したが、外来が0.19%の増にとどまった。診療所の外来の1日当たり点数は前年同期に比べて0.26%減となったが、対照的に病院は増となっており、「診療所は再診料の引き下げなどの影響を受け、入院外プラス財源は病院に集中しているものと推察される」と分析した。診療所では1件当たり日数も減少しており、「長期処方などの拡大により通院回数が減少していることが主要因と考えられる」とまとめた。ただ、総件数が増加していたため、総点数は微増となった。

 病院の1日当たり点数は入院が4.04%増、外来が4.46%増。病院種類別に見ると、一般病院(療養病床のみの病院を除く)は総点数が4.76%増、療養病床のみの病院は3.56%増、精神科病院は2.72%増で、「急性期病院に手厚い評価をした成果が見られた」と分析した。

 外来管理加算の算定回数は前年同期に比べて、診療所が3.7%、病院が6.4%とそれぞれ増加し、合計では4.2%増となった。ただ、厚生労働省が要件見直しによる財政影響の試算として示した120億円を基に、日医が算出した6%弱の増には至っていなかった。(8/12MEDIFAXより)

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