診療情報への活用は未定/政府、番号制度で基本方針案
政府の副大臣級の会合「社会保障・税に関わる番号制度に関する実務検討会」(座長=与謝野馨社会保障・税一体改革担当相)は1月28日、国民1人ごとに番号を付け社会保障と税の情報の把握に役立てる番号制度を2015年1月から始めるとした基本方針案をまとめた。医療界では社会保険診療報酬の情報が扱われるかどうかが関心事だが、民主党内で意見が分かれているため触れなかった。基本方針案は1月30日の「政府・与党社会保障改革検討本部」で正式に了承された。
国民が1人ごとに番号を持つことで、現在複数の機関が分散して管理している税や社会保障の情報の突き合わせが可能となるほか、正確な所得を把握できるようになり適正な社会保障の給付につなげることができるという。
基本方針案によると、番号を利用できる分野として、年金・医療・福祉・介護・労働保険の社会保障分野、国税・地方税の税務分野とした。ただ、それぞれの制度ごとの具体的な利用範囲については言及していない。番号を付ける対象者は日本国民と日本に中長期で住む外国人住民、一定の条件を持つ法人、社団。個人に付ける番号は住民基本台帳ネットワークを活用した新たな番号とする。
社会保障分野での活用事例としては、患者が高額医療・高額介護合算制度を利用する際、申請が1カ所で済むようになるほか、自己負担上限額を超えた場合に患者が立て替え払いをする必要がなくなるとした。
政府は3月から4月にかけて法案の骨子となる要綱、6月に法案の概要となる大綱を公表する。秋以降に関連法案を国会に提出し、15年1月から税務分野のうち可能な範囲で利用を開始し、段階的に利用範囲を広げるという。(1/31MEDIFAXより)/p