診療報酬改定「チーム医療の評価を」/医療部会、意見相次ぐ  PDF

診療報酬改定「チーム医療の評価を」/医療部会、意見相次ぐ

 2010年度診療報酬改定の基本方針の「たたき台」について意見交換した8月26日の社会保障審議会・医療部会では、勤務医の負担軽減に向けて、医師と看護師との役割分担など「チーム医療の評価」を基本方針に盛り込むべきとの意見が相次いだ。

 邉見公雄委員(全国自治体病院協議会長)は、現在の診療報酬では技術料が安すぎるとした上で「どういう医療体制やチームで医療を行うかに診療報酬を付けていかなければならない。物より技(技術)、技術よりシステムというのが、今後の診療報酬の考え方ではないか」と述べた。

 山本信夫委員(日本薬剤師会副会長)は「勤務医の負担軽減も含めて、チーム医療にどう取り組むか。薬剤師がそこにどう絡んでいくのかが大きな問題」と述べ、チーム医療体制を診療報酬上の評価に組み込む必要性を示した。

 齋藤訓子委員(日本看護協会常任理事)は「看護職から見ても、勤務医の働き方は本当に気の毒だと思っている。看護の立場からすれば、勤務医対策についてできることは真剣に、前向きに取り組みたい」と話した。厚労省が8月28日に「チーム医療の推進に関する検討会」を設置し、医師と看護師などの役割分担について検討することに触れ「看護師をもっと活用することで、勤務医の負担はかなり軽減されるのではないか」と指摘した。

 日野頌三委員(日本医療法人協会長)は、09年度補正予算に盛り込まれた「介護職員処遇改善交付金」について「病院では介護職員の給与のみを上げ、他職種を上げないという理屈は成り立たない。経営がしにくくなるような補助金の考え方を導入するのはいかがなものか」と話し、今後こうした仕組みは導入しないよう求めた。

 一方、竹嶋康弘委員(日本医師会副会長)は、医療提供体制の中で有床診療所の位置付けを明確にし、医療資源として有効に活用すべきと指摘。診療報酬上の評価に当たっては「配置基準など、病院と有床診療所は別の概念としてとらえなければならない。診療報酬体系についても別個に考えるべきだろう」と話した。(8/27MEDIFAXより)

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