診療報酬支払い、10月請求分から早期化/国保連審査分  PDF

診療報酬支払い、10月請求分から早期化/国保連審査分

 レセプト電子請求を実施する医療機関への診療報酬の支払い早期化は、国保連合会審査分が先行して2011年秋からの実施となる見通しとなった。厚生労働省保険局国民健康保険課は1月17日付で都道府県の国保主管部局に対し、9月診療分(10月請求分)から国保連審査分の診療報酬の支払い日を現行より最大で約10日早め、原則として請求翌月20日とする方針を事務連絡した。社会保険診療報酬支払基金審査分に関しては、健保連などの理解が現時点までに得られず、引き続き協議を進める。

 国保連審査分の診療報酬が医療機関に支払われるのは、現行では請求翌月25日から月末の間となっている。今回の事務連絡では、国保連審査分に限り電子レセプト請求の実施医療機関に対して支払いを早める方針を伝えた。市町村国保や後期高齢者広域連合の一部で、決裁スケジュールや資金繰りなどへの懸念があることから、実施に向けた調整を進めるよう求めている。支払い日が20日になると、支払基金審査分よりも1日程度早くなることになる。紙レセプトによる請求に対する支払いは現行通りとなる。

●出産一時金の早期化、異常分娩は紙レセも対象
 診療報酬支払いの早期化に伴い、直接支払い制度により月2回支払われている出産育児一時金についても一部早期化される。毎月25日請求の正常分娩分については、電子請求の場合に限って対象となるが、毎月10日請求の異常分娩分に関しては電子請求、紙レセプトいずれの場合も早期化の対象となる。

 診療報酬の支払い早期化をめぐっては、四病院団体協議会がレセプトオンライン請求に対する医療機関へのメリットとして厚労省に実現を求めており、厚労省でも実施を検討していた。

●社保分は引き続き調整
 支払基金審査分の早期化について、厚労省保険局は「紙レセプトと電子レセプトが混在していることへの対応や、早期化による医療機関側のメリットがあまりないとする意見が健保連からある。保険者の資金繰りの問題もあり、現段階では理解を得られていない」(保険課)としている。

 同局によると、診療報酬総額に占める国保連審査分の割合は約7割程度となっている。(1/19MEDIFAXより)

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