診療報酬支払い、半月早期化を検討/医療保険部会で厚労省  PDF

診療報酬支払い、半月早期化を検討/医療保険部会で厚労省

 厚生労働省は9月8日の社会保障審議会・医療保険部会(部会長=糠谷真平・国民生活センター顧問)で、診療報酬の支払い早期化を検討していることを明らかにした。レセプト電子請求が2010年7月から医科診療所でも原則化となり、電子請求の割合が医科で9割近くに上っていることを受けて、電子請求のインセンティブとして検討する。実現すれば最大で15日程度支払いが早まることになる。

 出産育児一時金の支払い方法の在り方について議論した中で、厚労省が明らかにした。診療報酬の支払いは現行では診療のあった翌月10日に請求、被用者保険の場合は翌々月21日、国保の場合は同25日−月末に支払われている。厚労省は電子請求している医療機関の支払日を診療の翌々月15日まで早める方向で検討している。

 早期化が実現した場合、出産育児一時金の支払いサイクルも一部早まる。現行の月2回の支払いのうち、1回は退院から支払いまでに33−47日かかっているが、10日ほど早まることになる。

 実現に向けた課題として、保険者の資金繰りやシステム改修、電子請求のみ早期化することにより、審査支払機関への納入が2回になることなどを挙げた。

●出産一時金は平行線/p>

 出産育児一時金の11年度以降の扱いでは、井上清成専門委員(弁護士)が、分娩施設への直接支払い制度について「健保法に違反する疑義が払拭できない」として、被保険者が振込指定制度を活用する場合に保険者から医療機関に支払われる制度とするよう主張。これに対し、白川委員は「定着しているので変更はしないでほしい」と主張し、議論は平行線のままだった。

 このほか、高額療養費に関して、自己負担限度額が8万100円となっている70歳未満の一般所得者のうち、年収300万円以下の人の限度額を4万4400円まで引き下げた場合、給付費ベースで約2600億円の財源が必要となるとの試算も示した。また、高齢者医療制度改革会議がまとめた後期高齢者医療制度廃止後の高齢者医療制度に関する中間取りまとめも報告した。(9/9MEDIFAXより)

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