診療報酬ネット0.004%増で決着/政府、介護は1.2%増  PDF

診療報酬ネット0.004%増で決着/政府、介護は1.2%増

 小宮山洋子厚生労働相と安住淳財務相は12月21日夜、2012年度診療報酬の改定率をネットで0.004%のプラス改定にすることで合意した。本体改定率はプラス1.379%で、薬価・材料価格を1.375%引き下げることで捻出する約5500億円などを財源に充てる。合意文書によると、前回改定のように入院・外来の枠は決めず、病院勤務医の負担軽減など3項目に重点配分する。ネットプラスは民主党政権になって2回連続。一方、12年度介護報酬改定はプラス1.2%で着地した。

 12年度の医療費を約40兆円で計算すると、本体部分のプラス財源は約5500億円で、薬価・材料引き下げ財源を丸々充てる。引き上げが決まった介護報酬改定の財源について財務省は「従来、介護報酬のプラス財源のために診療報酬をマイナスにすると申し上げていたつもりはない。介護のプラス改定財源は、厚労省予算全体の中から予算編成の中で調整をしていくことになる」(新川浩嗣主計官)としている。財務省によると、介護報酬1.2%引き上げに必要な国庫財源は約255億円。厚労相と財務相の合意文書では、事業者が人件費に充当するための加算を行うなど必要な措置を講じるとした。

 診療報酬本体部分の内訳は、医科がプラス1.55%、歯科が同1.70%、調剤が同0.46%。比率は「1:1.1:0.3」(財務省)となる。前回改定に続き、技術料が占める割合などから歯科が医科を上回る結果になった。

 合意文書では本体引き上げ5500億円を▽病院勤務医などの負担軽減・処遇改善▽医療・介護連携と在宅医療の充実▽がん、認知症治療などの医療技術の評価充実―の3項目に重点配分するとした。具体的な内容は年明けからの中医協の議論に委ねられた形だ。(12/22MEDIFAXより)

ページの先頭へ