診療報酬は3.1%増、医科は1.5%増/支払基金の11年度状況
社会保険診療報酬支払基金(河内山哲朗理事長)は6月25日の定例会見で、2011年度の診療報酬等確定状況(11年4月診療分−12年3月診療分)について、総確定件数が前年度に比べて2.7%増の9億1162万件、総確定金額が同3.1%増の10兆4071億円だったと公表した。同年度の増加幅について、支払基金では自然増によるものとの見方を示した。
このうち医療保険は確定件数が7億9128万件で同1.5%増、確定金額は8兆2415億円で2.4%増となった。医科だけを見ると確定件数は入院が666万件で1.1%減、入院外は4億3499万件で0.8%増だった。医科の確定金額は入院が2兆5184億円で1.4%増、入院外は3兆3375億円で1.6%増となり、合わせて5兆8559億円で1.5%増となった。生活保護の確定件数は4219万件で6.8%増、確定金額は1兆6313億円で4.8%増だった。
医療保険と生活保護の確定状況を1件当たりの点数で比べると、医療保険が1374点だったのに対し、生活保護は3918点。同様に1件当たりの日数を見ると医療保険が1.18日だったのに対し、生活保護では2.42日となっていた。
会見では電子レセプトでの算定状況についても11年度後半の分析結果を示し、1カ月平均の算定点数が711億8500万点で前年同期比で4.9%増となったことや、1カ月平均の算定回数が10億200万回で同5.6%増となったことを示した。
また、会見では初めて特定の診療行為について電子レセプト算定回数の分析結果を示した。ハイリスク妊産婦関係の算定は、10年度改定で急増した後も微増傾向にあり、11年度後半の1カ月平均算定回数は4万7870回となった。同様に11年度後半の人工透析の1カ月平均算定回数は69万6926回で5時間以上の慢性維持透析が増える傾向を示した。デイケア関係は増加傾向を示しており、同44万3736回となった。
●審査充実策で査定率向上
11年度事業については、審査事業でのコンピューターチェックの充実と12年3月審査分から開始した突合点検・縦覧点検(東日本大震災被災地3支部を除く)を報告した。原審査査定点数に占めるコンピューターチェックの寄与率は11年4月審査分の41.5%に対し、12年3月審査分は47.4%に上昇した。
12年3月審査分での1万件当たりの査定件数は突合点検で19.5件、縦覧点検で2.5件。1万点当たりの査定点数は突合点検3.1点、縦覧点検で0.4点となった。原審査での見落とし率も11年4月審査分が11.5%であったのに対し、12年3月審査分は9.9%に低下した。
●突合「責別」では医療機関が99.7%
12年3月審査分から始まった突合点検について、医療機関・調剤薬局のいずれの処方箋が不適切であったかを確認する責別確認の状況も分かった。同月審査分の医科査定件数10万4300件のうち、不適切とされた医療機関分の処方箋は99.7%を占める10万4000件、調剤薬局分は0.3%の300件だった。医科査定点数で見ると3092万3000点のうち、医療機関分は3075万7000点で99.5%、調剤薬局分は16万6000点で0.5%という割合だった。(6/26MEDIFAXより)