訪看・リハ・認知症などで共通認識/同時改定へ打ち合わせ会  PDF

訪看・リハ・認知症などで共通認識/同時改定へ打ち合わせ会

 2012年度の診療報酬と介護報酬の同時改定に向けて中医協委員と社会保障審議会・介護給付費分科会委員が意見を交わす「打ち合わせ会」では、医療と介護の連携をめぐり、訪問看護やリハビリテーションの重要性、認知症への対応拡充の必要性などが共通認識として浮かび上がった。

 厚労省は打ち合わせ会に、医療・介護で共通の論点として▽入・退院時での医療機関と介護サービス事業者との連携促進▽介護療養病床から介護療養型老人保健施設などへの転換促進▽介護施設での医療提供の在り方▽訪問看護・リハビリなど要介護者らの在宅生活での医療提供▽看取りへの対応▽認知症への対応―の6項目を挙げた。

 中医協診療側の西澤寛俊委員(全日本病院協会長)は「訪問看護とリハビリは(医療・介護)連携の上で一番大きな役割」と強調し、医療・介護の両面で評価を拡充する必要性を指摘。介護給付費分科会の大森彌分科会長(東京大名誉教授)も「(医療・介護連携で)致命的に重要なのは看護師」と述べた上で、医師や看護師、介護職員など各職種が互いの機能を尊重しながら、多職種協働でサービス提供に取り組む必要性を強調した。「介護保険の最大の弱点は、認知症の高齢者に対するサービス」との問題意識も示し、医療と介護の緊密な連携の下、認知症対策を進めていく必要性を強調した。

 介護給付費分科会の池田省三委員(地域ケア政策ネットワーク研究主幹)は、胃瘻をめぐる現状に問題意識を示し「(医療側で)本来、経口摂取ができる人にも作ってしまい、それを介護が受け取ることで大変な負担になってしまう」と指摘。同時改定で問題解決に向けた方策を導き出すことに期待感を示した。西澤委員も「胃瘻のことは私たちも問題視している」と述べた。

 介護療養病床の廃止を含む療養病床再編をめぐっては、中医協支払い側の白川修二委員(健保連専務理事)が、保険者からも転換支援金を拠出し支援している現状に触れ「ぜひとも前に進めてほしい」と求めた。一方、中医協診療側の安達秀樹委員(京都府医師会副会長)は、介護施設などへの転換が進まない要因として、医療機関が政策への不信感から先を見通せない状況にあるとし「同時改定を機に長期的な見通しのたつ方策を具体的な形で出していくべき」と指摘。池田委員は、病床数に地域格差があることが転換が進まない理由の一つにあるとし「地域に着目した計画をきちんと実施しないと、転換はなかなか進まない」と述べた。

 打ち合わせ会の内容は、中医協と介護給付費分科会に報告する。(10/24MEDIFAXより)

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