訪問看護師約1万6000人増が必要/10年後の需給見通し  PDF

訪問看護師約1万6000人増が必要/10年後の需給見通し

 介護保険施設など各種サービスの利用率が、今後もこれまでと同じように伸びると仮定すると、2020年には訪問看護師が今より約1万6000人多く必要になるとの推計結果が、医療経済研究機構が厚生労働省の09年度老人保健健康増進等事業として実施した研究で出た。訪問看護師の処遇を改善する場合は約2万6500人多く必要となる。研究報告書では訪問看護師の確保を「喫緊の課題」と位置付け、処遇改善や業務の効率化の必要性を指摘している。

●処遇改善には6万人以上必要

 報告書によると、20年の施設サービス利用者数を現在の1.5倍、医療保険の訪問看護利用者数を1.19倍と仮定すると、訪問看護が必要な人は09年時点の34万400人から48万9500人に増加する。この場合に必要な看護師数は、平均年間労働時間が現状と同じ2154.91時間(日本看護協会05年看護職員実態調査を基に算出)と仮定すると、09年時点の3万6687人から5万2756人に増加し、新たに1万6069人が必要となる。平均年間労働時間を1800時間まで改善する場合は、必要な看護師数が6万3158人まで増加し、新たに約2万6500人を確保する必要が出てくる。

 在宅療養を重視する施策の展開や医療保険の訪問看護利用者数の増加を見込んだ場合(施設サービス伸び率1.3倍、医療保険の訪問看護利用率1.5倍)、訪問看護が必要な人は53万7800人に増加。医療保険の訪問看護利用率を2.0倍と仮定した場合は、56万9100人まで増えるとしている。(7/12MEDIFAXより)

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