要支援の見直し、改正案の撤回を/民医連が影響調査
全日本民主医療機関連合会は12月18日、今回の介護保険制度改革メニューの一つである要支援者の予防給付の見直しが行われた場合の影響予測調査の結果を発表した。民医連は調査結果から、見直しが実施され、現在のサービスが確保できない場合の影響は重大だとして、介護保険法改正に向けた予防給付の見直しに関わる改正案の撤回を求めた。
影響予測調査は要支援者の給付管理を担当するケアマネジャーを対象に、2013年9月から11月に実施した。見直し後の市町村による地域支援事業では、サービス内容や費用が市町村の裁量に委ねられ、現在の予防給付の水準から大幅に後退することが見込まれるとした上で、利用者の病状や生活全般への影響を尋ねた。分析は、地域支援事業に移行することになる訪問介護・通所介護を利用していた767件について行った。
見直しにより身体・生活機能に与える影響を複数回答で聞いたところ、「外出などの機会が減り閉じこもり気味になる」が66.4%で最も多く、「日常生活ができなくなり、介護度が上がる」の60.8%が続いた。利用者本人や世帯の生活全般への影響については「日常の家事にさまざまな支障が出る」63.4%、「生活全般に対する意欲低下が起こる」「コミュニケーションの減少」「病態の悪化」のそれぞれ62.3%などが多かった。
要介護度認定の妥当性を尋ねたところ、「妥当」は全体で66.2%、「実際の状態よりも低い」は33.8%という結果が出た。
民医連は今回の調査結果を受け、改正案の撤回のほか▽訪問看護、福祉用具貸与を含めた予防給付全体の拡充▽低所得者の利用者負担軽減▽現行の要介護認定制度の抜本的改善―を求めた。今後は14年の通常国会での法改正審議に向け、厚生労働省や衆参院厚生労働委員会委員に働き掛けるとしている。(12/20MEDIFAXより)