要介護認定の新基準、3項目で修正へ/厚労省  PDF

要介護認定の新基準、3項目で修正へ/厚労省

 厚生労働省は3月17日、2009年4月から施行する新要介護認定制度の認定調査の判断基準を、一部修正する方針を決めた。新制度に当たって作成した「認定調査員テキスト」にある認定調査項目の判断基準では「要介護認定が軽度に判定される」との反発を受け、「移乗」「買い物」「金銭の管理」の3項目の判断基準を修正する。

 老健局老人保健課の鈴木康裕課長はメディファクスの取材に対し「(新制度の)調査項目数や新しいデータの反映などは審議してきたが、判断基準の選択肢や特記事項について利用者への説明が足りないとの指摘があった。利用者を不安にさせたり、誤解を生じさせてはならない」と修正の経緯を説明した。その上で「(調査員の)推量によるばらつきを減らすという考え方自体は変わっていない」と述べ、要介護認定の見直しの方向性には変更はないとした。

 認定調査項目の「移乗」については、寝たきり状態で車いすなどへの「移乗」の機会がないために「自立」と判断されることに反発が起こっていた。このため今回の修正では、寝たきりの場合のシーツ交換や体位変換も「移乗」の定義に含めて、「全介助」と判断するようにする。「買い物」については、認知症の人が無駄な買い物をしたり、代金を支払わなかったりした場合に家族らが行う返品や支払いを「介助」に含める。同様の趣旨で「金銭の管理」についても判断基準を改める。

 このほか、「介助」を判断基準としている16の調査項目について、介助が行われていない場合に一律に「自立」とすることに不安の声が上がっていたことを受け、「自立(介助なし)」などを「介助されていない」に変更する方向で検討する。鈴木課長は「ネグレクト(介護放棄)など、介助されていないが介助が必要というレベルがあるため修正する。(ネグレクトなどの)客観的事実を特記事項に記入することで、より適切な判断につなげてもらいたい」としている。(3/18MEDIFAXより)

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