西京医師会と懇談
1月21日 ホテル京都エミナース
地域医療担う医師に求められるものとは
協会は1月21日、西京医師会との懇談会を開催。参加者は地区から10人、協会から6人。懇談は西京医師会理事の内田亮氏の司会で進行した。
冒頭、同医師会会長の北村裕展氏は、医療を取り巻く状況が日に日に悪化する中、打開策について、協会に尋ねたいとあいさつ。協会からは垣田理事長があいさつし、都道府県への医療政策移管が進む一方、市町村が地域包括ケアシステムで医療保障を担うことになる。専門家である医師がしっかりと意見を出さねばならないと述べた。
各部会からの報告に続き、協会から「医療・介護提供体制と医療保険制度の一体改革について」「総合診療専門医について」を情報提供し、意見交換を行った。
地区から、非営利ホールディングカンパニーについて、京都ではすでに医療・介護複合体が存在し、そういった状況になっていると言えないかとの意見があった。これに対し、協会は、京都には別法人を作ってグループ化している例もあるが、現在の医療・介護複合体の多くは同一法人内の連携である。対する非営利ホールディングカンパニーは法人を束ねた統治機構を目指すもので、性格が違う。巨大法人が入院から地域包括ケアシステムまでを包括的に担い、ヘルスケア産業とも結びつき地域完結でホールディングの意思を徹底させることが狙われていると解説した。
総合診療専門医については、医学部の「地域枠」から巣立つ医師が総合診療専門医を担うのではとの見方があることから、そのあり方についても意見交換した。
地区から、地域医療のマインドを育てる教育の在り方について、協会等から意見をいう機会はないのか。地域での医師不足という現実に医師自身が直面してこそ醸成されるマインドもあり、都市部ではそうした意識を持つ医師は多くない。医学生の時代からマインドを育てる教育が必要だとの意見が出された。
また医学部教育の在り方として、あえて地域枠とそうではない学生との間に区別を設けるべきかどうかも話題になり、地域枠であるなしにかかわらず、学生時代に医師不足地域で活動する医師との関わりを持つことは意味があり、そこでの経験は、都市部に従事する医師であっても、地域医療の実践や地区医師会の仕事を担う力になるとの声が出された。