西京医師会と懇談  PDF

西京医師会と懇談

2月15日 ホテル京都エミナース

これからの開業医の在り方を中心に

 協会は2月15日、西京医師会との懇談会を開催。地区から9人、協会から5人が出席した。懇談会は岩瀬知行副会長の司会で進行。冒頭、地区から中路裕会長、協会から関浩理事長の挨拶の後、各部会からの情報提供を行った。

 続いて関理事長が「韓米FTAに学ぶTPPの問題性について」を解説。TPPのモデルとなる韓米FTAは、医療・社会保障制度などの非関税部分の規制を緩和し、韓国の国民皆保険制度に対して米国製薬・医療機器企業が利益を上げるための市場とすることが目的であると紹介し、意見交換をした。

 地区からは、「TPPへの批准を止めるために医師ができることは何か」「確かに米国に押し付けられる可能性はあるが、自民党は公約で医療は対象外と言っていた。交渉に参加してから判断はできないのか」「今はドラッグラグがあるが、TPPに参加すると新薬が審査なしでそのまま入ってくるようになるのか」等の意見が出された。

 協会は、「まずはTPPの問題点を広く一般に知ってもらうことが必要。各医療機関でも患者さんに問題意識を広めてほしい」「参加するメリットがそもそもない、政府は交渉参加によるGDP増加を喧伝するが、一方で農業を中心にそれを上回るGDP減少が見込まれている」「医薬品の審査制度がどうなるかは分からないが、薬価の決定権はメーカーが握ることとなり、新薬を非常に高い価格で購入させられることは間違いない」と回答した。

 また地区からは、逆の考え方として、米国に全国民を対象とする公的医療保険の制度化を要求してはどうかとの意見も出された。

 続いて垣田さち子副理事長が「社会保障制度改革推進法の問題点と開業医医療の役割」を解説。在宅医療が重視され、また総合診療医が議論される中で、今後に向けて開業医医療の在り方の再評価が必要であると述べ、その後意見交換した。

 地区からは、「なかなか在宅に取り組む人が少ない」「要請に応えて取り組んでいるが、専門科外来を縮小してまで在宅に軸足を移すことには不安が大きい」「在宅で看取っても、家族とのコミュニケーションに問題があると、納得の最期とならないケースもある」「連休は休みたいというのが率直な思い。連携していれば良いかといえば、最期を主治医以外に看取られることは患者・家族の本意ではないだろう」等の課題が述べられた。一方、在宅に取り組んでいる会員は、「内科医は看取ることが大きな仕事と思う。家族にもきちんと話をしていていれば、夜中に死亡しても慌てて駆けつけることは必ずしも必要ない。家族の状況によっては、最期は病院でということもある。これからは認知症の問題も外せない。是非、他の先生にもご協力いただきたい」と述べた。

 協会は、「現在は高い評価の在宅点数だが、次回改定ではどうなるか分からない。また、どのような開業医となるかは人それぞれの思いがあり、在宅をするかしないかで評価が決まる問題ではない。一方で、団塊の世代が後期高齢者となる2025年をいかにして乗り切るのか、これから議論を進めて行かなければならない」と述べ、終了した。

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