被災地の感染症は平時と大差なし/感染研現地調査  PDF

被災地の感染症は平時と大差なし/感染研現地調査

 国立感染症研究所は4月11日、岩手、宮城両県で実施した感染症の実態調査の結果をまとめ、「平時と大きな差はない」とする評価を示した。調査結果と提言をまとめた。

 調査は4月5日から4日間、調査チームが両県の複数の避難所などを巡った。調査によると、汚泥や空気に由来する感染症は確認できなかった。また、津波の影響とみられる破傷風は7例、レジオネラ症は4例でそれぞれ散発した例があったが、特殊な感染症のその後の増加は確認されなかった。インフルエンザや下痢、嘔吐などの通常の感染症は大規模な流行がなかったが、低い栄養や体力の低下などが原因とされる重症の肺炎が増加しているとの指摘を添えた。衛生状態については避難所によって大きな差があるため、「注意が必要」とした。

●計画的な仮設住宅への移行を提言
 今後の提言では、中期的な取り組みとして計画的な仮設住宅への移行や、乳幼児らに定期予防接種を行う体制の確保を求めた。

 このほか、短期的な提言なども示され、避難所に物資を行き渡らせるための体制づくりや食中毒への一層の注意などを掲げた。(4/13MEDIFAXより)

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