被災地から患者集団移送の動き/「国家としての対応必要」  PDF

被災地から患者集団移送の動き/「国家としての対応必要」

 東日本大震災の被災地にある病院や避難所から、病院団体の災害対策本部などに、患者の集団移送を求める要請が届き始めている。現時点では、各病院団体で対応しているのが現状だが、病院団体幹部からは、国としての方針の下で患者の集団移送を進めるべきとの声が上がっている。

●「病院団体レベルでは限界ある」/全日病・西澤会長
 被災地での診療が困難になった入院患者の集団移送は、今後も頻発してくることが予測される。全日病の西澤会長は「今回は協会の対策本部で対応したが、病院団体レベルで行えることではない。すでに現地のライフラインが滞り、現地の病院は限界に近い。病院単位での移動が求められる場面が出ている。これは病院団体、医師会のレベルではなく、本来は国家的方針の下に進めるべきだ。早急に国としての方向性を示してもらいたい」と述べた。その上で、協会会員病院に対して、受け入れ可能かどうかの緊急調査を検討したいとした。

●回答病院の半数が被害
 全日病は、東北6県と新潟、長野、茨城の9県の218病院に対して被害状況の調査を行った。回答があったのは119病院(54.5%)。被害があったと回答したのは60病院で約半数だった。入院患者らへの人的被害があったとしたのは4病院。建物の被害を挙げたのは38病院だった。水道の断水などが継続してい
るとしたのは11病院だった。

 人的支援を求めているのは7病院。物的支援を求めている病院のうち、生活物資は27病院、医薬品は26病院などとなっている。(3/18MEDIFAXより)

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