被災に伴う定期接種の考え方公表/感染症情報センター  PDF

被災に伴う定期接種の考え方公表/感染症情報センター

 国立感染症研究所感染症情報センターは5月6日、自治体担当者や接種医に向けて「被災地、被災により避難中の小児の定期予防接種の考え方」を公表した。同センターは「震災発生後の混乱した状況の中ではあるが、定期予防接種の接種対象者がワクチン接種を受けやすい体制を準備する段階に差しかかっていると考えている」とした上で「可能なところから接種が再開されることを期待したい」としている。

 同センターは被災地や避難所などにいる小児への定期接種に対する考え方として▽定期接種対象年齢となった時点で接種を開始できるよう被災地の市町村と医療機関が連携し、接種可能な医療機関を把握する▽母子手帳の紛失や市町村の記録の消失など、これまでの予防接種歴が不明な場合は、保護者の記憶も勘案しながら、個人の発症予防と周りへの感染拡大防止の観点から予防接種を実施する方向で考える▽接種記録は本人と医療機関(市区町村)の双方で保管し今後の記録に反映させる―などを示したほか、予診や接種前の診察、接種後の観察も重要だとした。

 記録が不明なため場合によっては接種回数が多くなる可能性については「数回の過剰接種であれば現行のワクチンにおける医学的問題は少なく、むしろワクチンを接種していなかったことによるマイナス面(罹患の危険性)が高いことを、接種者も保護者も理解することが必要」としている。

 特に早期の接種再開が期待されるワクチンとして▽MRワクチン(麻しん・風しん混合ワクチン)▽DPTワクチン(百日咳・ジフテリア・破傷風混合ワクチン)―を挙げた。(5/9MEDIFAXより)

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