血友病以外への投与、1825施設に可能性/血液凝固因子製剤

血友病以外への投与、1825施設に可能性/血液凝固因子製剤

 厚生労働省は7月1日、肝炎ウイルスの感染リスクがある血液凝固因子製剤を血友病以外の患者に過去に投与した可能性がある医療機関が1825施設だったとする調査結果を公表した。うち投与事実が確認されたのは185施設で、患者数は延べ1727人(重複投与を除いた人数は1622人)。厚労省は同日付で、これら施設の名称や所在地、存続・廃院の状況などを載せたリストをホームページに掲載。投与を受けた可能性のある患者に対し、肝炎ウイルス検査の受診をあらためて呼びかけた。

 調査は2008年2−3月に実施。血液凝固因子製剤(28製剤) のメーカー12社(現在の存続会社は6社)が製剤を納入した2898施設を対象に、血友病以外の患者への投与実態などを調べた。

 それによると、「血友病患者のみに投与」は913施設、「製剤の投与事実がないことを書類などで確認」は160施設で、これらを除いた1825施設を「血友病以外の患者に投与した可能性がある施設」と定義した。

 血友病以外の患者への投与事実が確認された185施設の患者延べ1727人のうち、1416人は非加熱製剤、残りの311人は加熱製剤の投与を受けていた。

 重複投与を除いた1622人のうち、投与事実を患者に知らせたのは、全体の26%に当たる419人で、残りの1203人には知らせていなかった。理由は「投与後に原疾患などで死亡」832人、「連絡先不明など」145人、「B型・C型肝炎陰性が判明」31人などで、「今後知らせる予定」は179人だった。

 投与の可能性があるとした1825施設には、血友病以外の患者への投与事実が確認された施設のほか、「患者に投与したか確認できない」「血友病患者のみに投与したか確認できない」「調査票が到達せず、ほかの情報もない」「住所不明などで調査票を送付できない」「未回答」も含まれていた。(7/2MEDIFAXより)

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