薬剤師の病棟業務の評価、大筋了承/中医協  PDF

薬剤師の病棟業務の評価、大筋了承/中医協

 厚生労働省は12月7日の中医協総会に、2012年度診療報酬改定で、病棟に従事する薬剤師が勤務医などの負担軽減のほか、医療安全や薬物治療の質向上、薬剤費削減などにつながる業務を行った場合に診療報酬上評価することを提案し、大筋了承された。今後、具体的な算定要件について議論していく。

 厚労省は、勤務医などの負担軽減策についての結果検証特別調査で、現在、薬剤師が病棟での業務を行っている施設が半数に満たず、行っている施設でも病棟での業務従事時間は多くの病棟で週8時間未満との結果を提示。薬剤師が十分に活用されていないとした。

 一方、薬剤師を病棟での業務に従事させることで、勤務医と看護職員の負担軽減につながったとの調査結果のほか、持参薬の鑑別業務が医療安全や薬剤費の節減などでも一定のメリットがあったとの結果を提示。病棟に一定以上従事する薬剤師が、勤務医などの負担軽減のほか、医療安全や薬物療法の質の向上、薬剤費の節減などにつながる業務を行った場合、診療報酬上評価することを提案した。

 総会で、診療側の三浦洋嗣委員(日本薬剤師会常務理事)は「一定時間、薬剤師が病棟にいることでチーム医療が推進できる」と強調。支払い側の花井十伍委員(連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)も「薬剤師が病棟にいるメリットは計り知れない。ぜひ、この件については積極的に考えていただきたい」と述べた。

 一方、診療側の鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)は、薬剤師の病棟配置の重要性は認識しているとした上で、「(病棟での業務従事時間ではなく)業務内容を中心に(算定要件を)考えてほしい」と要望。こうした意見を踏まえて、中医協で算定要件について検討していく。(12/9MEDIFAXより)

ページの先頭へ