薬価乖離率は約8.4%、財源約5000億円/医療費ベース1.25%
厚生労働省は12月2日の中医協総会で薬価本調査の速報値を報告し、平均乖離率が前回改定時と同じ約8.4%だったと公表した。厚労省によると、薬剤費全体の削減額は約5000億円になる見通し。2012年度の医療保険制度の医療費を約40兆円とすると医療費ベースで1.25%に当たる。この財源がそのまま診療報酬本体の改定率に回れば本体改定率プラス1.25%分となる。
投与形態別の乖離率は、内用薬が8.9%、注射薬が7.4%、外用薬が7.6%、歯科用薬剤が1.3%だった。11年9月取引分が対象。
2012年度薬剤費は推計で8兆4000億円。平均乖離率約8.4%に調整幅2%を加味した場合、市場実勢価格に基づく引き下げはマイナス約6.4%の約5400億円となる。ただ、薬価改定時には、市場実勢価格による改定以外にも、不採算品目再算定などの薬価を引き上げるルールと、逆に市場拡大再算定など薬価を引き下げるルールも適用されるため、厚労省は現段階で差し引き400億円程度の引き上げ効果も発生すると見込む。このため薬剤費全体の削減額は約5000億円(薬価ベース約6.0%)程度になる見込み。
後発医薬品のシェアは数量ベースで22.8%、金額ベースで8.8%だった。政府が掲げる後発品の普及目標は数量ベースで30%となっており、依然、開きがある。(12/5MEDIFAXより)