若年層の半数、医療費の支払いに強い不安/医療政策機構が世論調査  PDF

若年層の半数、医療費の支払いに強い不安/医療政策機構が世論調査

 20−30代の若年層の半数が、医療費の支払いに対して強い不安感を抱いていることが2月19日、NPO法人日本医療政策機構が発表した世論調査結果で分かった。パートやアルバイトなどの非正規雇用者でも不安を感じている人は半数を超えており、同機構は「最近の厳しい雇用・経済情勢などの世相を色濃く反映し、若者を中心に医療費に対する不安が広がっている」と分析している。

 調査は、2009年1月、全国の有権者1650人を対象に行ったもので、1016人から回答を得た(回答率62%)。

 調査結果によると、深刻な病気にかかったときの医療費の支払いに対して「非常に不安」と答えた人は全体の42.7%で、07年調査時より12ポイント増加。「ある程度不安」を含めると、約86%の人が医療費の支払いに不安感を抱いていることが分かった。特に20−30代の若年層で不安感が強く、20代の50.3%、30代の50.0%が「非常に不安」と回答。07年から20代で21.5ポイント、30代で29.9ポイント、それぞれ増加した。さらに、医療費の支払いが「非常に不安」と答えた人を雇用形態別に見ると、パートやアルバイトといった非正規雇用者で55.2%と最も高かった。

 後期高齢者医療制度については、「現行制度を維持」(8.5%)、「骨格を維持しつつ修正」(40.3%)と、半数が現行制度を支持している一方、「廃止して元の医療制度に戻す」(28.5%) 「まったく新しい制度をつくる」(13.9%)と制度の抜本的な見直しを求める人も4割以上に上った。

 年代別に見ると、「現行制度を維持」と答えた人は70代以上が20.5%で最も多く、「骨格を維持しつつ修正」も含めると70代以上の約56%が現行制度を支持。同機構は「当事者である高齢世代が比較的落ち着いた反応を見せている」としている。

 「身近な環境での医師数は十分と感じるか」との質問に対しては、約6割が「足りない」「一部の診療科では足りない」と回答。優先課題には「救急」と「産科・小児科」を上位に挙げる人が圧倒的に多かった。

 その一方で、医師不足解消のための負担増に対しては「反対」と「どちらかといえば反対」が合わせて約7割に上った。同機構は「国民の間で実態に対する理解が進んでいる一方、雇用・経済情勢への不安も同時に広がっていることを表す結果」と分析している。(2/20MEDIFAXより)

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