舞鶴医師会と懇談会
4月9日 舞鶴メディカルセンター
医師不足で地域医療の空洞化を懸念
協会は舞鶴医師会との懇談を4月9日、舞鶴メディカルセンターで開催した。出席は地区より8人、協会より5人。舞鶴医師会の四方卓磨理事が進行した。
冒頭、同会の梅原秀樹会長があいさつ。「日本の医療制度が大きく動いている中、我々が見失ってはいけないのは国民皆保険であり、地域でしっかりと患者さんと向き合い医療を提供していくことだ。病診連携、多職種連携も図りながら、在宅医療など必要な仕組みをしっかりと構築していきたい」と述べた。続いて、協会の垣田さち子理事長のあいさつの後、協会から「新専門医制度について」を情報提供し、医療提供体制や地域医療構想と地域包括ケアシステム、医師偏在問題などについて意見交換を行った。
地区から「日本専門医機構の『新専門医制度』はアイデアだけ出して、具体的内容は地域に丸投げの構想という印象。これでうまくいくはずがない」との意見が出され、続いて地域の医療提供体制で、「他地域の医療法人から舞鶴に医院を開設したいと打診があった。地区に入会し院長は舞鶴に住居を構えるとのこと。問題はないが、今後こういったケースが増えるかもしれない」など、近況の報告があった。
協会から「時々、都市部では日曜診療を行う医院をめぐってトラブルになった話を聞く。舞鶴はどうか。また、医療モールはあるか」「舞鶴での地域包括ケアはどういった状況か」などを質問したところ、地区からは「舞鶴では日曜診療を行っているところも行いたいという医師もいない。モール化している地域はあるが、単に新規開業がその地域の1〜2kmの間に集中しているというだけで都市部のようにひとつのビルに集約されているということはない」「地域包括ケアについては、まだよく見えていないのが実情。地区医師会としては行政の求めに応じて会議等に出席はしているが、一般会員の中にはまだそういった意識はないだろう」「ただ、急性期で舞鶴市内では初期対応ができず京都市内などの病院に搬送することはあっても、看取りができないという事態は、よほどのことがない限りないだろう」との回答があった。
一方で、地区から地域の課題についても、「舞鶴の病院の整備は進められているが、実は常勤専門医が減少している。ここ数年で呼吸器内科専門医や、血液内科専門医がいなくなった。舞鶴や京都府北部では白血病の患者数が多いが、舞鶴市では治療を受けられず京都市内などに行く患者も多い。膝や股関節などの変形症などもそうだ。医療の重要な部分が空洞化しており、患者がいるにもかかわらず病院の病床が空床となってしまっている」など、医師の確保が大変難しい状況であることが語られた。