自立支援法改正へ年内に取りまとめ/精神保健医療福祉検討会

自立支援法改正へ年内に取りまとめ/精神保健医療福祉検討会

 厚生労働省の「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」(座長=樋口輝彦・国立精神・神経センター総長) はこれまでの議論の「論点整理」を7月31日にほぼ了承し、9月以降は2009年に予定する障害者自立支援法改正を見据え、精神障害者の地域生活への移行と支援策について議論を深めていく。08年12月末までに、その具体的内容の取りまとめを行う見通し。今後の精神保健医療福祉施策の全体像の取りまとめは09年夏をめどに行う予定としている。

 今回の論点整理では、精神疾患患者の長期入院が問題視されるようになった現状は「入院医療中心であったわが国の精神障害者施策の結果」であり、行政をはじめとする関係者が「その反省に立って、今後の施策の立案・実施に当たるべき」とのスタンスを明示。今後の精神保健医療福祉施策の推進体制は「PDCAサイクル」の考え方を取り入れ、「将来のあるべき姿(ビジョン)」を示し、「客観的な指標に基づく明確な数値目標」を定め、さらに「それを実現するためのロードマップ」を明示し、「必要な財源を確保」しながら個別の対策を講じ、定期的にその進捗状況を評価する─という一連の流れを徹底すべきと指摘した。

 また、施策についての個別論点に「相談支援」でのケアマネジメント機能の充実を取り上げ、「地域自立支援協議会」の位置付けを法制度で明確化する方向性を示した。相談体制の中での行政機関と医療機関の役割分担も検討対象に挙げた。さらに今回初めて、家族支援の必要性も打ち出した。

 精神保健医療体系の再構築については、入院医療、通院・在宅医療、医療体制・連携、精神医療の質の向上を論点に挙げた。薬物療法を含め、精神疾患に関する研究開発の推進についての検討を求めている。(8/4MEDIFAXより)

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