自立支援法の訪問系サービス、年収は258万3000円/
08年障害福祉経営実態調査
厚生労働省は「2008年障害福祉サービス等経営実態調査」の結果をまとめ、11月20日の自民党社会保障制度調査会障害者福祉委員会に提示した。06年10月施行の障害者自立支援法に基づくサービス体系(新体系) 全体の収支差率は5.4%で、自立支援法施行前の施設体系(旧体系) の7.0%を下回った。従事者1人当たりの年収は、新体系の訪問系サービスの常勤ホームヘルパーが258万3000円などだった。厚労省は事業種による給与差が大きいとした上で「介護保険やその他福祉サービスと比べても給与水準は低い。人材確保は緊急の課題」としている。調査結果は、自立支援法施行後3年となる09年4月に予定している報酬改定の基礎資料とする。
調査は07年度の収支状況や従事者数、給与などを調べた。調査対象は1万6728施設・事業所で、5047施設・事業所から有効回答を得た(有効回答率39.2%)。自立支援法の全面施行以降、経営実態調査は今回が初めて。
障害福祉サービスなど全体の収支差率は6.1%だった。新体系は訪問系サービスがマイナス4.0%、障害者支援施設が5.4%などで、児童デイサービスはマイナス32.1%と特に収益が悪かった。一方、旧体系は身体障害者入所施設7.3%、精神障害者入所施設0.9%などだった。
1人当たりの年収をサービス別にみると、新体系は訪問系サービス(ホームヘルパー) 258万3000円、障害者支援施設(生活指導員・生活支援員) 338万5000円など、旧体系は身体障害者入所施設(生活指導員・生活支援員) 348万2000円、同通所施設(同)358万5000円、精神障害者入所施設(同) 341万2000円などで、職種や事業種による差が見られた。一方、従事者の常勤率は全体81.5%、新体系68.0%、旧体系89.7%などだった。新体系の訪問系サービス(ホームヘルパー) の常勤率は19.3%で、新体系全体の常勤率を引き下げているとみられる。(11/21MEDIFAXより)