自然破壊の損失6兆円超/生態系の恩恵を試算

自然破壊の損失6兆円超/生態系の恩恵を試算

 森林伐採によって減少する二酸化炭素(CO2)の吸収量や、土地の劣化で減る農林業生産などの損失をお金に換算すると、生態系破壊によって人類が毎年被る損害額は少なくとも500億ユーロ(約6兆7500億円) に上ると試算した国際研究グループの中間報告書が10月11日までにまとまった。バルセロナでの国際自然保護連合(IUCN) 総会でグループが明らかにした。

 グループは「人類は生態系から食料や水、木材、エネルギー、CO2の吸収などさまざまな恩恵を受けているにもかかわらず、その経済的な価値を正当に評価してこなかった」と指摘。国の政策などを決める際に、これらの価値を重視することの重要性を強調した。

 報告書によると、2000年時点で残されている手つかずの草地や森林などの11%が50年までに農地造成や開発によって失われ、生態系破壊と生物多様性の減少が進むと予測される。【バルセロナ(スペイン) 10月11日共同】

ページの先頭へ