自治体立の一般病院、赤字が6割超/08年度経営管理指標
厚生労働省の2008年度「病院経営管理指標」報告書によると、自治体立の一般病院で経常利益が黒字となった病院は36.1%で、6割以上が赤字経営となっている。黒字病院は07年度の25.1%に比べて11.0ポイント増加したが、医業利益のマイナス幅が大きく、依然として苦しい経営状況にあることが明らかになった。医療法人立の一般病院で黒字となったのは69.3%で、07年度に比べて2.3ポイント減少した。
一般病院の黒字病院比率を開設者別に見ると、医療法人が69.3%、社会保険関係団体が45.9%、その他公的が39.6%、自治体が36.1%となった。開設者別に見た一般病院の医業利益率は、医療法人が1.2%、自治体がマイナス18.3%、社会保険関係団体がマイナス1.9%、その他公的がマイナス2.1%となり、自治体では、07年度に比べてマイナス幅が3.7ポイント拡大していた。自治体で医業利益が落ちたにもかかわらず、黒字の病院が増えた理由には他会計からの繰入金の増加が影響していると見られる。
開設者別の人件費比率は医療法人が53.3%、自治体が64.8%、社会保険関係団体が52.8%、その他公的が51.5%と自治体との差が見られた。職員1人当たりの人件費は医療法人が624万3000円であるのに対し、自治体は779万4000円と高かった。
医療法人立病院の医業利益率の推移を病院種別に見ると、一般病院で低下傾向が続き、療養型病院でも低下が見られた。精神科病院は低下傾向が続いていたが08年度に上昇し、ケアミックス病院も上昇傾向が見られた。黒字病院の比率では、療養型病院以外のすべての病院種別で低下が見られた。(5/10MEDIFAXより)