自治体病院、08年度改定で1.8%減収/全自病が調査  PDF

自治体病院、08年度改定で1.8%減収/全自病が調査

 全国自治体病院協議会は2008年度診療報酬改定の影響で、自治体病院全体で1.8%の減収になったとの調査結果をまとめた。入院で1.5%減、外来では2.0%減だった。08年度改定では「入院時医学管理加算」の算定要件に「総合病院的機能」が盛り込まれ、自治体病院の救済策と期待されたが、結果的に“マイナス改定”の評価にとどまった。

 全自病は08年8月、自治体病院980病院を対象に改定直後の4−6月の3カ月分の入院・外来の医療収入の調査を行った。475病院(回答率48.5%)が回答したが、改定前後で収入に20%以上の乖離がある場合は、勤務医の減少による診療科の縮小や廃止などが考えられることから、診療報酬改定の影響に特化した結果を得るためのデータスクリーニングを実施。最終的に有効回答数は353病院となった。

 調査結果によると、全体で1.8%の収入減となったにもかかわらず、患者1人1日当たりの収入単価は外来で4.0%増、入院では2.6%増となった。単価が伸びたにもかかわらず、全体で収入減となったことについて全自病は、延べ患者数の減少傾向が継続しているためと分析している。

 調査期間の4−6月の3カ月の入院延べ患者数は全体で2.2%の減少、一般病院は2.0%減、精神科病院で4.7%減となった。延べ患者数の減少は、病床規模に関係なく全体的な傾向。全自病が集積している過去4年間のデータによると、1病院当たりの入院患者数の3カ月間の平均は、05年が8741人、06年が8511人、07年が8048人、08年が7956人で、減少傾向は顕著となっている。同様に外来患者数の減少も続いているという。

 今回の診療報酬改定調査では、病院種類別と病院の機能別の影響度も見た。一般病院は0.2%の減収、ケアミックス病院も1.2%の減収だった。一方、専門病院は2.3%の増収となったほか、療養病床のみの病院でも1.1%の増収となり、こども病院は6.8%の増収となった。ただ、こども病院については調査客体数が3病院で、うち2病院が今回の改定で新設された「小児入院医療管理料1」を算定していることが影響している。

 また、「救急告示あり」の病院は0.3%の減収となった一方、「救急告示なし」の病院では0.1%の増収となった。

 「救急告示あり病院」では、初期救急病院が1.9%減、2次救急病院が0.3%減となっている。これに対して3次救急病院は0.6%の増収となった。全自病は「3次救急については経済的支援は多いが、初期・2次救急病院については経営的にも厳しい状況にあることが明らか」としている。(1/19MEDIFAXより)

ページの先頭へ