自民議員ら国の削減方針を批判/療養病床協会の全国研究会で

自民議員ら国の削減方針を批判/療養病床協会の全国研究会で

 自民党の「療養病床問題を考える国会議員の会」に参加する議員らが7月3日、福岡市内で開催された日本療養病床協会全国研究会に参加し、国の療養病床削減の方針に疑問を投げかけた。木村義雄衆院議員は「介護療養病床は地域や国民にとって必要。現場の血のにじむような苦労を厚生労働省は知らない」と批判。介護療養病床が廃止される2011年度末までは現行制度は存続するとした上で、「現場がついていかなければ法律は動かない。介護療養の機能を存続するために一致団結すべきだ」と呼びかけた。

 療養病床削減の見直しを検討するため、自民党の国会議員有志は08年3月に「療養病床問題を考える国会議員の会」を設立。6月に取りまとめた提言では、療養病床再編の受け皿となる介護療養型老健の要件見直しを求め、「実現できない場合は介護療養病床廃止の撤回もありうる」とした。すでに福田康夫首相と舛添要一厚生労働相に提出したという。

 木村氏は(1)後期高齢者医療制度(長寿医療制度)、(2)臨床研修制度、(3)療養病床再編―を「厚生問題の3悪」と主張。介護療養病床の廃止は後期高齢者医療制度と同時期に法案が成立したとし、「後期高齢者制度は医療制度改革大綱に盛り込まれていたが、療養病床再編はそれにも含まれていなかった。あまりに唐突で、医療費削減のために狙われたのではないか」との見方を示した。

 療養病床議連で会長代行を務める清水鴻一郎衆院議員も「療養病床削減の方針は寝耳に水。財政優先の中で決まった政策」と主張。自民党内は社会保障費削減は限界との認識で一致しているとした上で、「高齢者の負担になる政策はもう許されない」と述べ、療養病床削減の見直しに取り組む姿勢を強調した。

 同議連事務局の飯島夕雁衆院議員は「療養病床は医療と介護がミックスした重要な機能を持つ」と削減見直しを求めた一方、「残念なことだが、療養病床を持つ病院すべてが質の高いケアを行っているというわけではない。本来の機能を存続させるためにも、質向上への努力をしなければならない」と話した。

 同日は山崎拓前副総裁も参加。山崎氏は「療養病床の削減で厚労省が示した受け皿施設では、医療・介護難民が生まれる」と危機感を示した。(7/4MEDIFAXより)

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