臓器提供施設、要件見直しへ/改正法成立受け厚労省
15歳未満の子どもからの臓器提供を可能とする改正臓器移植法が成立したことを受け、厚生労働省は7月14日、臓器提供施設の要件を見直す方向で検討を開始することを決めた。小児の臓器提供が可能となったことから、救命救急医療を行う小児専門病院を提供施設の対象に含める方向だ。さらに、成人の提供施設についても見直しが必要か検討を進める。改正法が施行される1年後までに結論をまとめる方針だ。
現在、臓器提供を行う施設となるには▽大学病院▽救命救急センター▽日本救急医学会の指導医指定施設▽日本脳神経外科学会の専門医訓練施設―のいわゆる「4類型施設」であることが前提となっている。
15歳未満の子どもの法的脳死判定は国内ではこれまで経験がなく、虐待を受けた子どもからの臓器提供を防止するためにも、小児からの臓器提供は経験が豊富な小児救命救急医療を行う小児専門病院が行うことが望ましいとされる。だが、小児専門病院は4類型施設には含まれておらず、提供施設の対象外となっている。
このため厚労省は、提供施設に対する調査や専門家の意見を基に、小児の脳死判定を行う医師の選定や、虐待児からの臓器提供を防ぐための院内でのチェックの在り方など、小児の臓器提供を行うために必要な施設の要件について検討する。救命救急医療を行う小児専門病院も対象に含める方向で検討を進める方針だ。
厚労省はさらに、改正法により提供件数が増加する可能性があることから、成人の提供施設の要件についても見直しの是非を含めた検討を並行して行う。(7/15MEDIFAXより)