能力開発の研修、技能向上に効果/介護事業所の8割が実施  PDF

能力開発の研修、技能向上に効果/介護事業所の8割が実施

 介護サービス事業所の約8割が、介護労働者の能力開発を目的とした研修を実施していることが、介護労働安定センターがこのほど行った「介護労働者のキャリア形成等に関する実態調査」で分かった。研修後に「職員の技能、技術の向上を図ることができた」と回答した事業所は7割に上った。同センターは「早期離職防止や定着促進などの方策として研修は有効」としている。

 調査は同センター内に設置された「介護労働者のキャリア形成に関する研究会」が介護事業所や介護労働者などを対象に実施。事業所調査は2008年11−12月にかけて行い、1354事業所(有効回答率30.7%)から回答を得た。

 介護職員に「研修を実施している」と回答した事業所は88.5%だった。社内研修では「採用時研修・新人教育」(81.7%)が最も多く、社外研修では「中堅職員研修」(52.7%)、「採用時研修・新人教育」(40.2%)の順。研修担当者を選任しているのは62.1%で過半数を超えた。研修後は55.1%が「仕事へのモチベーションが上がった」と回答しており、研修が一定の効果を上げていることが分かった。

 一方、介護労働者1395人を対象に行った調査では、介護福祉士の資格について「取得する予定がない」が53.4%を占めた。理由は「自分の年齢を考えると必要性を感じない」(54.7%)が最も多かった。同センターは回答者の約4割が「50−59歳」だったことが影響しているとした上で、「キャリアアップに積極的な人と消極的な人の2つの階層が存在している」と分析している。

 介護の質向上を目的に06年度に導入した「介護職員基礎研修」の実施状況についても調査し、民間の教育訓練機関140機関が回答した。500時間研修については93.9%が「計画も実施もしなかった」と回答。実施した場合の定員充足率も「80%以上」は33.3%にとどまるなど、取り組みが進んでいない実態が分かった。同センターは「民間の教育訓練機関の場合、受講料が高いことも影響しているのではないか」としている。(4/8MEDIFAXより)

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