胸部エックス線検査、対象を見直しへ/厚労省、安衛法の定期健診で
厚生労働省は「労働者に対する胸部エックス線検査の対象のあり方等に関する懇談会」を設置した。第1回の会合を1月19日に開き、労働安全衛生法に基づく定期健康診断で義務付けられている胸部エックス線検査の対象者を見直す検討を開始した。
労働者の健康管理を目的に、労働安全衛生法は定期健診の実施を使用者に求めている。定期健診では結核などの感染症を早期に発見するため、胸部エックス線検査の実施を義務付けているが、2005年施行の改正結核予防法では一律的に行う健康診断の見直しを求めている。このため厚労省は「労働安全衛生法における胸部エックス線検査等のあり方検討会」を設置し、検査対象などの検討を行った。06年8月の同検討会の報告書では、定期健診での胸部エックス線検査は40歳以上を対象とし、40歳未満については医師の判断により省略することもできるとの判断を示したが、具体的に見直しを行う際には、労働者の健康管理に対する胸部エックス線検査の有効性について評価するよう求めた。
これを受け、厚労省は07年度に「労働安全衛生法に基づく胸部エックス線検査の労働者の健康管理に対する有効性等の評価に関する調査・研究班」を設置。さらにその報告書も踏まえ、新たに設置した今回の懇談会で検討作業を継続することにした。その報告に基づき、同懇談会で結論を得る。(1/21MEDIFAXより)