老老介護で死亡リスク倍増/産業医大・松田教授が調査  PDF

老老介護で死亡リスク倍増/産業医大・松田教授が調査

 高齢男性が、親や妻ら虚弱高齢者を介護する「老老介護」の当事者になると、十分な介護力がある家族と同居中の男性と比べ、本人の死亡リスクが約2倍になるとの疫学研究を産業医科大の松田晋也教授(公衆衛生学)らのグループがまとめ、予防医学関係の国際専門誌に2月5日までに発表した。

 グループは、福岡県内の自宅で暮らす、60歳以上の男女約3000人を、2002年から5年間追跡。対象者の居住形態を「十分な介護力がある同居者がいる」「同居者が介護保険サービスを受けている(老老介護)」など6つに分類し、追跡期間中に死亡した381人のデータなどを基に、居住形態や介護力と死亡リスクとの関係を分析した。

 その結果、女性では居住形態などと死亡リスクに関連はみられなかった。だが、男性が老老介護をしている場合は、死亡リスクが同居家族に介護力がある男性の1.9倍になることが分かった。介護している男性本人が、歩行につえが必要であるなど身体能力が低いと、死亡リスクは約5倍とさらに高くなった。老老介護以外では、独居などで家族からの支援が得られにくい男性で死亡リスクが高くなることも明らかになった。【共同】(2/6MEDIFAXより)

ページの先頭へ