老健の4割が看取り実施/年平均5例、全老健が調査
1年間に看取りなど終末期医療を行った介護老人保健施設が41.1%に上ることが、全国老人保健施設協会が実施した「2008年度介護老人保健施設における適切な医療提供のあり方に関する研究事業」の調査で分かった。全老健は「1年間で平均5例程度行っている」と説明した。
調査は09年2月に介護老人保健施設3300施設に対して行い、1388施設から回答を得た(回収率42.1%)。全老健は7月にも詳細な調査結果をまとめるとしている。
医師のオンコール体制を導入しているのは55.6%で、常時看護師が当直している施設は78.0%だった。調査では老健での医療処置の現状についても自由回答で質問。適切な医療を行うに当たっての問題点・課題については▽包括医療の弊害や他科受診の医療負担など「医療保険適用の拡大」(478件)▽看護師不足など「人材不足・人員配置基準が不適切」(146件)―などが上がった。
10年度診療報酬改定に対しては、抗がん剤注射製剤など高額薬剤の使用や、肺炎や尿路感染症といった施設内で対応できる医療の評価を見直すべきとの意見が上がった。医療体制については、ナースプラクティショナーの導入など、看護職や介護職が実施できる医療行為の範囲を拡大すべきとの指摘もあった。(6/8MEDIFAXより)