義務化対象の9割は実施済み/診療所の明細書無料発行
レセプトをオンラインまたは電子媒体で請求している医科診療所で、8月1日から明細書の無料発行が義務化される。義務化対象となる診療所の9割程度が、義務化前の段階で無料発行を実施していることがメディファクスの調べで分かった。発行義務化に伴って、患者からの問い合わせや苦情の増加が懸念されたものの、現段階では目立ったトラブルには発展していないようだ。
メディファクスは、明細書を無料発行する診療所が再診料に加算できる「明細書発行体制等加算」(1点)の6月1日現在の届け出状況について、地方厚生局の都道府県事務所に取材した。7月29日までに回答があった38都道府県について集計したところ、全医科診療所数に占める届け出診療所の割合は59.74%だった。
全国でも届け出診療所数の割合が同じだとすると、医科診療所の総数8万8575施設のうち5万2915施設が届け出ていることになる。社会保険診療報酬支払基金によると直近の5月末現在で、レセプトを電子請求している診療所は5万8692施設であることから、8月から義務化される診療所の90.2%がすでに明細書を無料発行していると推計できる。
医科診療所は7月診療分からレセプトの電子請求が義務化されたが、常勤医師全員が65歳以上の場合や、すべてのレセプトが手書きの場合はオンラインまたは電子媒体による請求が免除されるほか、レセコンリース期間中の場合やレセコンの減価償却期間の場合は最長で2015年3月末まで猶予される。免除または猶予となっている診療所では、明細書発行の義務はない。(7/30MEDIFAXより)