緩和ケア、ニーズあるのに受けられず/患者意識調査
がん患者やその家族を対象に、NPO法人日本医療政策機構・がん政策情報センターが行った「がん患者意識調査2010年」によると、緩和ケアを受けたことがないと回答した人のうち、約4割の人が緩和ケアのニーズはあったにもかかわらず受けられなかったと感じていた。同センターは「希望する全ての人が緩和ケアを受けることができれば、患者や家族の痛みが解消され、療養生活の質の維持向上につながる」としている。
調査結果では、緩和ケアを受けたことがあるかとの問いに「受けたことがない」との回答が79.0%、「受けたことがある」が16.5%だった。受けたことがない理由として「受ける必要がなかった」が57.8%を占めた。ただ、「受けられると知らなかった」が28.8%、「受けたくても受けられなかった」が9.9%で、合わせて38.7%の人が緩和ケアのニーズがあったものの受けることができなかったと回答した。
がんの診療や治療での悩みでは、「痛み・副作用、後遺症などの身体的苦痛」が60.5%、「落ち込みや不安、恐怖などの精神的なこと」が59.3%だった。がんの治療にかかった費用については70.9%の人が「負担が大きい」と回答した。
調査は、がん関連の患者団体に所属しているがん患者・経験者とその家族・遺族を対象に実施し、郵送とインターネットで1446件の回答を得た。(5/9MEDIFAXより)