総合確保法は廃案にせよ あらゆる混合診療解禁に反対する
社会保障・税一体改革以降、国は本格的かつ着実に新自由主義改革としての社会保障制度改革を進めている。4月23日から衆院厚生労働委員会で審議委入りした「総合確保法案(地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案)」は、その衝撃的な一歩となる。
これは、国の医療をはじめ社会保障のナショナルミニマムの放棄、地方自治体への丸投げであり、都道府県を軸にした数値目標達成型の医療費管理・適正化(抑制)政策を追求した小泉医療制度構造改革路線の多面的展開を意図するものである。
同時に、これらが医療・介護にかかる給付抑制を志向しているにとどまらず、一方で安倍政権の成長戦略の要に位置付けられた「医療・介護の産業化」路線と絡んで推進されていることにも注視が必要である。医療・介護の産業化に関しては、混合診療本格解禁に安倍首相自身も乗り出して、強力に推進しようとしている。医療・介護の産業化とは、その仕組みを民間営利企業が利潤をあげうるものに大転換することである。混合診療の解禁がその前提となるのは当然であろう。
協会は、総合確保法に関し、「団塊世代がもっとも医療・介護を必要とする時期に狙いを定めて入院を中心とする医療、施設入所を中心とする介護、それぞれのサービスを抑制・削減し、結果として『入院難民』『介護難民』『看取り難民』を生むものだ」と批判し、総合確保法の廃案を求める会員署名を提起。混合診療解禁に関しても、規制改革会議がぶちあげた選択療養をはじめ、いかなる形の混合診療解禁も医療者は許さないと署名に取り組んでいる。
第一次署名として総合確保法廃案で172筆、混合診療解禁反対で188筆を4月24日の国会議員要請行動で国・京都選出議員らに提出しているが、今号付録としてあらためて送付させていただいた。ついては、まだ署名されていない会員各位の協力をお願いしたい。