総合特区で「医療産業の国際競争拠点」を/政府が初会議
政府は11月2日、「総合特区制度、『環境未来都市』構想に関する会議」(議長=片山善博・地域活性化担当相)を初めて開いた。同会議は、政府の新成長戦略実現会議(議長=菅直人首相)の分科会の1つ。初会合では、総合特区制度に関連して優先的に検討すべき規制・制度改革の骨格を、各省庁に提示した。骨格は4戦略で構成されており、「ライフ・イノベーションによる健康大国戦略」では▽医療関連産業の国際競争拠点形成▽医療・介護・福祉が連携した持続可能な地域システムづくり―が2つの大きな柱となっている。担当省庁は今後、個別の項目ごとに対応方針を決め、会議側に報告する。
総合特区制度は、新成長戦略に基づいて創設が予定されている。7−9月に制度に関する提案を一般から募り、要望が多かった事項を中心に、内閣官房地域活性化統合事務局が骨格を作成した。政府は11年、関連法案を国会に提出する予定で、年度内の成立を目指す。その後、総合特区を具体的に指定していく姿勢だ。
医療関連産業の国際競争拠点形成については、医薬品・医療機器の海外展開促進を図る「メディカルクラスター」を構築する姿勢を示した。また、▽保険外併用療養費制度の柔軟化▽コンパッショネートユース(人道的見地から未承認薬の提供を認める仕組み)の検討、特区での先行試験的実施▽ヒト幹細胞を用いた臨床研究を迅速に実施するための特例▽医師・企業連携による新規医療機器の臨床研究の容認―などの方針を盛り込んだ。
医療・介護・福祉が連携した持続可能な地域システムづくりに関しては▽分散保有されている医療・健康関係データの地域の機関への集約化▽離島・へき地の患者への遠隔診療、処方の実現▽介護保険事業計画における計画水準を超えた施設整備―などの方向性を打ち出している。(11/4MEDIFAXより)