総会決議をふまえ談話 人々の健康守ることが医療者に託された使命
協会は、8月22日に談話「68年目の夏を迎えて・医療者は、地球環境を守り、戦争をしない平和な日本の担い手になろう」を発表。次いで、23日には、安倍晋三首相に対し、「立憲主義、民主主義を無視した政治姿勢に断固として抗議する」を渡邉賢治副理事長名で提出した。
戦争のない平和な社会こそ
談話では、7月28日に開催された協会の第66回定期総会決議の1項目である、「医療者は、地球環境を守り、戦争をしない平和な日本の担い手になろう」に触れ、医療者に託された使命に言及。原爆が投下されてから68年が経過している現在も、被ばくによる「健康」被害で苦しんでいる人がおり、戦争による「健康」被害は近隣諸国にも及んでいる。つまり、「戦争」や「核兵器」は「健康」とは対極にあり、私たち医療者に託された使命は、「人々の健康を守る」こと、つまり、核兵器の廃絶、そして戦争のない平和な社会をめざし、人々とともに進んでいかなければならないとしている。
立憲主義、民主主義を堅持せよ!
政府が8月8日の閣議で、「政府の憲法解釈の番人」とも呼ばれる内閣法制局長官人事にあたって、小松一郎駐仏大使を充てると決定したことが、憲法9条の憲法解釈の変更で集団的自衛権の行使を実現させる布石であると一般報道機関でも指摘されている。また、内閣総理大臣の下に設置(2007年4月17日)された「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」が9月に議論を再開し、秋までに集団的自衛権行使容認の提言をまとめるとされている。
我々は、憲法の解釈変更による集団的自衛権行使ならびに、立憲主義、民主主義を無視した解釈だけで恣意的に憲法を変えていく手法とその政治姿勢に断固として抗議するとして、安倍首相に文書を送付した。