総会を終えて 副理事長 渡邉賢治
「国民の健康」と「戦争」
安倍首相は集団的自衛権についても検討していくと明言した。このことは憲法9条を改悪して、日本を戦争ができる国に変えていこうとする意志であり、新自由主義の夢を現実にするための一つであると考える。このような中、「国民の健康」と「戦争」について考えることがあった。
そもそも「健康」とはなんであるか? WHOは次のように定義づけている。
Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.
「健康」とは、病気ではない、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも経済的にも、すべてが満たされた状態にあるとしている。
このことを考えると、「健康である状態」と「戦争状態」は対極にある。
病気を治すときは、患者と医療者が共に協力をし、ともに病気と戦うことで治療がすすみ、病気を克服していくことができる。また、病気になる前に予防できる病気であれば、しっかり予防していくことが大事である。そうであるならば、国民の「健康」を脅かす「戦争」に対しては、国民と共に協力し、戦うことが必要であり、「戦争」は予防できる「病気」である。国民とともにこれにたち向かって戦っていく覚悟が医療者には必要である。
今回の参議院選挙の結果、自公で過半数を超えた。また衆参のねじれがなくなった。それに対して野党は民主党をはじめ、政権交代をする力はとうてい今は望むことができない。そればかりか野党としての役割がはたせるかも疑問である。こんな中、いかに自公の、安倍政権の暴走を食い止めるかは、国民の力しかない。京都府保険医協会は国民と力をあわせ、国が誤った方向に進んでいかないように運動を強めていくことが求められている。