総会 質疑応答の要旨  PDF

総会 質疑応答の要旨

■協会方針について

 島津恒敏代議員(中京西部) 協会の情勢報告・方針案については、基本的には賛成ではある。しかし、現在の日本の経済状況を考えれば、国民医療や保険医療の存続が厳しくなる。協会は、国民の医療を守るためにも、現在の危機的な状況を真剣に見据える必要がある。保険医制度を守るということは、今の政治体制を存続させるか否かということと絡めて問われていると考える。

 垣田理事長 激励のご発言をいただき、感謝申し上げる。協会の理事は、この厳しい時代に覚悟をもって理事職に就任していただいた。そして、会員一人ひとりが築き上げた協会という組織で、国民医療を守るために、私自身も含め責任をもって職務を果たしていく考えだ。

 島津代議員 京都府立医大の「キョウト・ハート・スタディー」という研究をめぐって、ノバルティス社による悪辣きわまりないデータの改ざんがあったと報道された。京都から発したこの不祥事に対して、協会も正しい立場を鮮明にする必要があるのではないか。

 垣田理事長 理事会としての見解については、まだ議論できていない。島津代議員の提起を受けて、理事会で議論を行っていきたい。

 島津代議員 過去、協会は同社から講演会等で後援を受けたことがあると思うが、今後どのような対応を取られるのか。

 垣田理事長 講演会等で、企業の後援を受けているものもあるが、企業に頼った企画の立案は行っておらず、すべての製薬会社からの協力を断るということは考えていない。ただし、今後、後援を受ける際に慎重な対応が必要と認識している。

 梅山信代議員(乙訓) 協会の設立目的は、「医療保障制度の確立と制度運用の合理化の追求」、また「保険医の知識と技術の向上と生活権の擁護」ということだが、基本方針の「命と健康の最大の敵・戦争へ向かうあらゆる流れに反対する」は、設立趣旨の一体どの部分に関連しているのか教えてほしい。

 飯田理事 医療も社会の仕組みの一つ。良い医療を実践するためには、社会が安定していなければなし得ない。そのために、安心・安全の社会が必要と考え、基本方針に戦争へ向かうあらゆる流れに反対することを提起した。

 梅山代議員 「生活権の擁護」という箇所に関連しているということであれば、専守防衛の自衛隊にもっと軍事費を費やして日本の安全を守るということが「生活権の擁護」に当てはまるのではないかと考える。

 飯田理事 世界中でさまざまな紛争を抱え、また近隣諸国に目を向ければ、領土というナショナリズムに訴える問題も最近大きく報道されている。この問題を解決するために、あるいは日本を守るために、専守防衛に限って軍事大国化すべきという意見もあるだろう。しかし、軍事大国化が果たして本当の意味で日本の平和を守るだろうか。今まで日本を守ってきたのは、戦争の対極に位置している「憲法9条」ではないか。この問題に関しては、今後も議論を重ねる必要があると感じている。

 田代博代議員(右京) 仮に日本が軍事大国化すれば、今の自衛隊でさえ年間数兆円規模の予算であり、それ以上の予算が必要となることは明らかだ。そうなれば社会保障費は削られ、ますます国家予算が膨らみ続け、数年も経たないうちに国家財政が破綻する。軍事大国化というのは明らかに無理があり、これを持って近隣諸国に対抗することはできない。

 八木晴夫会員(宇治久世) 日本が軍事大国化を目指すことは、財政的に不可能だという意見に全面的に賛成である。過去において、日本は財政破綻することがわかった上で軍事大国を目指した。国民を戦争に駆り立てたように、現在は近隣諸国との領土問題で軍事大国化を煽っていることを危惧する。

■エネルギー問題について

 田代代議員 脱原発、節電の時節、せめて我々が利用するときぐらいは会場に必ず節電を守ってほしいと申し入れてほしい。

■顧問の職務規定について

 岡所明良代議員(与謝)関先生が顧問に就任されることには大賛成である。しかし、顧問の職務はどのように規定されているのか。

 垣田理事長 協会規約は「第23条2 本協会に顧問を置くことができる。顧問は代議員会の承認を経て理事長が委嘱する。顧問の任期は理事の任期による」となっている。理事長として、各分野で協会を牽引いただいており、今後もご助力いただきたく顧問就任を依頼した。

 岡所代議員 顧問就任に異論はないが、職務をきちんと規定しておかないと、関先生に申し訳ないのではないか。名誉理事長と顧問はどう違うのかはっきりと明確にしたほうが今後のためにいいと考える。

 垣田理事長 岡所代議員の提起を受けて、顧問の職務規定について検討していきたい。

(文責・編集部)

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