緊急保証制度、医療機関も対象に/参院本会議で直嶋経産相
直嶋正行経済産業相は1月20日の参院本会議で、中小企業が民間金融機関から受けた融資に信用保証協会が返済を全額保証する「緊急保証制度」の対象に、医療機関や介護事業者を加える考えを示した。
直嶋経産相は「歯科を含む医療、介護業も経営状況は厳しくなっており、制度の対象としてこれらの分野に携わる人の資金繰りを支援したい」と述べた。
同制度は2008年10月に開始され、793業種が適用対象とされているが、医療機関や介護事業者は含まれていない。政府は09年度第2次補正予算案に、保証枠を現行の30兆円から6兆円増額し、名称も「景気対応緊急保証」に改めることを盛り込んでいる。
緊急保証制度をめぐっては、病院団体などから対象拡大の要望が上がっていた。全国老人保健施設協会が14日に直嶋経産相や民主党の小沢一郎幹事長に提出した要望書では、これまでの診療報酬引き下げなどで経営に必要な資金が不足している医療機関が相当数、存在していると指摘。介護老人保健施設では、インフルエンザの流行に対応するための診療や感染防止対策などを行っても、医療行為が包括払いとなっているため経営的に不利な状況にあると主張。「貸付制度(福祉医療機構)だけでなく、保証制度による信用補完の拡充が必要」と強調した。(1/21MEDIFAXより)