綾部・福知山医師会と懇談

綾部・福知山医師会と懇談

2月7日 福知山中央保健福祉センター

府北部の医療崩壊の実情まざまざと

25人が参加して開かれた綾部・福知山医師会との懇談会
25人が参加して開かれた綾部・福知山医師会との懇談会

 綾部・福知山医師会との懇談は2月7日、福知山中央保健福祉センターで開催。地区から20人、協会から5人が出席、福知山医師会・井土昇理事の司会で進められた。

 まず、綾部医師会・安村忠樹会長挨拶の後、協会からは最新の活動情報を提供した。

 意見交換では、地区から京都府北部における医療崩壊の実情が述べられた。特に看護師不足は深刻で、基準が満たせず病床を休止・削減せざるをえない状況にある。平均在院日数の短縮だけでなく、病院にいられない要因が生まれていることが訴えられ、地域包括支援センターのリハビリスタッフや、訪問リハビリ・通所リハビリの実施機関が少ないため、サービスが充填されていない実態が報告された。

 協会からは、京都市周辺でも看護師不足から許可ベッドがフル稼働できない一方で、急性期機関では救急を取らねばならない。患者をずっと診ていくために療養病床が必要であるが、療養病床が削減され、行先がないのが実態であり、看護師・療養病床不足の2点は当地と変わらない状況だと説明した。

 介護保険関連では、協会に要員の派遣を含め実行性のある対応を望むとの要望が出された。また、介護認定の基準が抑制されたことで、車椅子など福祉用具貸与の判定のために医師が意見を書くことが多くなった。日常的に車椅子などが必要な人が、これほどまでに問題になるとは思ってもいなかったとの意見があり、具体的対応策について意見交換した。その他、病院退院後の主治医を病院の医師と開業医との共同主治医という形で連携し、入院医療と居宅看護サービスをうまく使えないかという意見や、病院の地域連携室を活用して、地域包括支援センターやケアマネジャーに情報提供ができないかなども話題に上った。

 レセプトオンライン請求については、義務化そのものには反対であるが、義務化されることで廃業するという意見は短絡的すぎ、システムに対する理解不足があるのでないか。会員にもっと具体的に説明してほしいとの意見が出された。協会からは政府・厚労省が強制している省令や、必要となる費用について説明するとともに、レセプトオンライン化は単なる請求方法の変更ではなく、社会保障番号・カードの創設が背後にあり、住基ネットや納税者番号などとも統合されれば、国民総背番号制に繋がり大きな問題であることを指摘した。

 その他、京都府における国保再編報道についても話が及び、意見交換を終えた。福知山医師会・高尾嘉興会長の閉会挨拶後、会場を移して懇親を深めた。

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