綴喜医師会と懇談  PDF

綴喜医師会と懇談

2月16日 新田辺駅前CIKビル

医療のあるべき姿模索を

 協会は2月16日、綴喜医師会との懇談会を開催。地区から8人、協会から9人が出席。綴喜医師会・河村宏理事の司会で進行した。

 最初に茨木和博会長から「今回の選挙で自民党が圧勝して、公共事業が活性化する可能性がある一方で、社会保障や診療報酬などの心配が残ったままである。今後とも協会に多方面での助言がほしい」と挨拶があり、それを受けて関理事長が挨拶。続いて協会からはTPPや社会保障制度改革推進法等、最新の話題について情報を提供した。

 意見交換では、TPP参加による影響の詳細がいまだにわからず、賛成・反対の意思決定ができていない会員もいるので、協会にも引き続き助言をお願いしたいとの要望が出された。また、若い医師の中には技術があればそれなりの報酬は当然との考え方から、混合診療に期待する声もある。しかし、皆保険制度が守れなければ、民間保険に加入せざるをえず、適正な医療が受けられない結果となりかねないとの危機感も示された。

 協会からは、TPP加入後は国民皆保険制度の空洞化が懸念される。我が国の医療制度の良さが、実感されなくなっている状況にあるのではないかと述べるとともに、皆保険制度は医師・医療団体のみで維持してきたのではなく、国民も懸命に守ってきた歴史があることを強調した。

 地区から在宅医療に関して「施設よりも在宅の方が人的負担が大きい。大規模な介護施設への集約や、胃瘻は原則しないコンセンサスを得るといった大胆な切換えをしないと、マンパワーはもはや限界にきている」「推進法は家族の支えを強調しているが、独居の増える中で家族頼みの在宅では支えきれない。そうした現状への国の理解が足りない」「警察医としていかに孤独死が多いかを実感している」といった、現場の厳しい状況を反映した声がきかれた。

 これについて協会は、独居の高齢者をどう支えるかは大きな問題であるし、家族への負担を考えれば、家でなく施設で最期を迎えたいという多くの人たちが存在する。そうした人たちが、施設に入れない現状を変えていかねばならないとした。

 また、財源が破綻の危機にある中で、医療はどうあるべきかの問いかけに対し協会は、手厚い社会保障を求めるには一定の負担も覚悟し、健康なときに少しくらい多く保険料を払っても病気になったときに負担のない社会を考える時期にきているのではないかと述べた。

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